週次レポート #3|北極星を、指す先ごと取り替えた
公開実験 Day 25。北極星を差し替えた。そして、その北極星を測る装置を作り忘れていた。Kindle 8冊、初めて34ページ読まれた。承認待ちは67件たまっていた。
公開実験 Day 25(2026-07-11 〜 07-17) 数字はすべて実測。推測値は入れていません。測れていないものは「測れていない」と書きます。
言葉の整理:このレポートには2つの「会社」が出てきます。ひとつが本業——私が経営している年商10億の会社。もうひとつが工房——それをAIで作り替えるために私が回している実験場です。Kindleも、AIニュースも、この週次レポートも、全部工房の産物です。以下、失敗の話はほぼ全部、工房の話です。本業のお客さまとは関係ありません。
先週のレポートで、私はこう書きました。看板は「作れるのに、届かない」。北極星は「オウンドリストの純増」。読者は1人。
今週、その看板を掲げた短尺を出して、48時間後に数字を見ました。
登録0件。返信0件。X表示0回。 YouTubeの再生が195回あっただけでした。
それで、北極星を取り替えました。
そしてもうひとつ。今週、初めて本が読まれました。34ページです。
売れてはいません。Kindle Unlimitedの読み放題で、誰かがページをめくった記録が残っただけです。先週まで、この数字はずっと0でした。8冊出して、34ページ。それでも、この実験で初めて「読者がいた」証拠です。
今週いちばん大きな決定:無料の名簿を数えるのをやめた
「オウンドリストの純増」を最重要指標から降ろしました。代わりに置いたのは、AI-CS(AI一次対応)の診断・商談リード数です。
理由は単純です。無料で登録してくれる人を数えても、お金を払う人がいるかは分からないからです。私は「リストが増えれば、いつか売れる」という順番を信じていました。でも6冊出して売上0、リスト1人という数字を前にすると、それは順番ではなく願望でした。
なので、逆から引きました。有料ライン(月5万円のAI-CS運用)から逆算して、その直前にある指標は何か。答えは「診断してみたい、という人が何人いるか」でした。無料の名簿ではなく、財布の近くにある数字です。
リストは捨てません。降格させて、育てる場所として残します。
今週の北極星:0件。ただし「測って0」ではありません
ここが今週いちばん恥ずかしい報告です。
北極星を差し替えたのに、それを測る装置を作っていませんでした。
診断の着地ページがまだ無いので、リードが発生する場所自体が存在しません。つまり0件というのは「挑戦して獲れなかった」ではなく、「そもそも打席に立っていない」です。
新しい方位磁針を掲げた日から5日間、この工房は方位磁針を持たずに走っていました。手は動いていました。ただ、どこへ向かって進んだのかを測る手段が無かった。
来週これを作ります。それまでこの数字は0のままです。
数字(実測のみ)
| #2(7/10) | #3(今週) | |
|---|---|---|
| 北極星:AI-CS 診断/商談リード | — | 0件(測定装置が未着地) |
| オウンドリスト(Ghost会員) | 1人 | 1人(今週の純増 0) |
| Kindle 販売中 | 6冊 | 8冊(+2) |
| Kindle 販売数(累計) | 0冊 | 0冊 |
| Kindle 既読ページ(KENP・累計) | 0 | 34ページ(初計上) |
| 動画 累計再生(3ch合計) | 32,910回 | 44,705回(+11,795) |
| YouTube 登録者(3ch合計) | 51人 | 65人(+14) |
| X フォロワー | 191人 | 189人(−2) |
| 意思決定のAI起案率 | 74% | 90% |
動画の内訳:成田Ken 14,902/News OS 27,722/ポンコツAI 2,081。
この3chに、小説チャンネル『ままならぬ神』は入っていません(登録4人・再生2,886回)。先週と同じ数え方で並べるために、今週は3chのまま置いています。来週から4ch合計に切り替えるなら、先週分も引き直して並べ直します。「3ch合計」と名乗っている以上、何が入っていないかも書いておきます。
注記(正直に):Amazonは数字を自動で取れないので、私が手で見に行くしかありません。KENPの実測は3点だけあります。7/9=0ページ → 7/12=29ページ → 7/17=34ページ。
先週のレポートを出した時点(7/10公開・観測は7/9)は0でした。つまりこの実験で初めて、本が読まれました。ただし34ページのうち、7/12以降に増えた5ページ分だけが「確実に今週」です。残りの29ページは7/9〜7/12の間の出来事で、レポート期間の起点(7/11)をまたぐためどちらの週かは特定できません。断定を避けて、そのまま置いておきます。
販売数は0冊のままです(最終確認7/12)。売上は、確定して0円です。読まれた34ページ分の印税は、KDPの支払いサイクル上、8月15日に発生します。
34ページ。8冊出して、34ページです。それでも、0ではありませんでした。
そしてこの実験の初収益には、日付がつきました。8月15日です。金額は、たぶん笑ってしまうくらい小さいと思います。出たら、その金額をそのまま書きます。
作ったもの
本業の会社の本質を、一文にした
世界で最も多くの課題(Issue)に、責任を持って向き合い、引き受け、AIで解決し続ける会社。
これを SRA(Scale × Responsibility × AI) と呼ぶことにしました。SRE(サイトの信頼性を守るエンジニアリング)のAI時代版です。中身はこうです——人が責任を負い、AIが運用の信頼性を担う。
そして売る先頭商材を決めました。AI一次対応デスクです。問い合わせ、チケット、アラート。流れ込んでくる課題を捌く仕事を、AIで拡張します。人を減らすためではありません。同じ人数で何倍も受けられるようにするためです。ここは譲りません。効率化を人減らしとして売った瞬間、それはお客さんの減収になり、私の減収になります。
その承認ゲートを、実機で証明した
言葉だけでは商品になりません。なので昨日、こう動くものを作りました。
AIが「この作業をやっていいか」と申請する → 人がボタンを押す → 本物のAWSに書き込みが走る → 自動で元に戻す → 全部記録に残る。
人がタップしなければ、1バイトも変わりません。承認画面は非エンジニア向けに作り直しました。何が起きるのか、どれくらい危ないのか、なぜやるのか。専門用語を開いて、危険度に色を付けて。
検証が終わったので、そのサーバは削除しました。月44ドルの停止です。復元できる状態は保存してあります。
社内研修を、全社員に公開した
100人の会社の新人研修を、AIで作り直してLMSに載せました。本文・理解チェック・音声解説・実務課題。今週は音声解説の量産を始めています。これは実験ではなく、明日から社員が実際に使うものです。
今週の失敗
先週このセクションに「検査装置そのものが壊れていた」と書きました。今週、同じ失敗を、もっと高いところで見つけました。
1. 承認の仕組みを売ろうとしている人間が、自分の工房の承認を放置していた
今朝、自分の承認待ちリストを開いて数えました。
未判断 67件。 6月23日まで遡って、チェックが付いていませんでした。この実験を始めた初日です。
その間、AIニュースは毎朝止まらず配信されていました。つまり承認は配信の条件になっていなかった。チェック欄は、後から記録を書き込むだけの飾りでした。
私は今週、「人が責任を負い、AIが運用信頼性を担う」を本業の会社の本質だと決めた人間です。その承認ゲートを商品にすると決めて、実機で証明までした。その同じ週に、自分の工房の承認欄が67件放置されていた。
原因は構造でした。記事の生成は朝7時。公開は8時半。私が席に着くのは9時過ぎです。全部に事前承認を要求する設計は、そもそも物理的に回らなかった。回らない規則は、破られるのではなく、形だけ残って無視される。
直しました。全件承認をやめて、踏み込む記事だけを止めるようにしました。実名の個人に不利益なこと、企業の不祥事の当事者、裏の取れない数字を掴みに使っているもの、投資助言に近づくもの、利害関係のあるもの、死傷者を扱うもの。これらは私がボタンを押すまで公開されません。プログラムが本当に止めます。抜け道は作りませんでした。
定型のニュースは自走します。まずければ後から非公開にすればいい。取り消せることを担保にする、という考え方です。
承認を全部に薄く広げると、ゼロと同じになります。 賭けどころにだけ厚く置く。今週の学びはこれです。
2. 「災害」で止める仕組みが、天気予報を毎日止めるところだった
その新しいゲートを作った直後、テストして気づきました。「搬送」という単語に反応する設計だったので、熱中症のニュースが毎日引っかかる。
引っかかっていた文はこれです。「熱中症による救急搬送が急増する時期と重なりやすい」。季節の一般論です。もうひとつは「熱中症搬送者数の具体的な数字は未確認」。数字が無いと書いてある文でした。
どちらも実際の被害者を報じていません。これで毎朝止まったら、賭けどころに絞った意味がありません。「実際に死傷者が出たと報じている場合だけ」に直しました。
3. Xのフォロワーが2人減った
191人 → 189人。増えていません。減りました。
小さい数字ですが、隠す理由がないので置いておきます。
4. 数字の名前が、数字の中身と違っていた
レポートを書くために集計を見たら、先週「18,160回」と書いたニュースの再生数が「8,837回」に減っていました。累計が減るはずがありません。
調べたら、同じ画面に3種類の違う数え方が混ざっていました。片方は全動画の生涯累計。片方は「直近15本の合計」で、古い動画が窓から抜けると減る——なのに名前は total(合計)でした。しかも3つ目の数え方が7月12日に予告なく差し替わっていて、先週の数字と並べられなくなっていました。
このレポートに載せた44,705回は、先週の32,910回と同じ数え方であることを確認した数字です。確認できなかった数字は載せていません。
名前が嘘をつく数字は、壊れた検査装置と同じです。 先週の学びが、まだ足りていませんでした。
今週わかったこと
事実として確かめられたこと
看板「作れるのに、届かない」を掲げた短尺は、48時間で転換ゼロでした。登録0・返信0・X表示0。再生は195回ありました。
再生されることと、届くことは、別物です。 動画は44,705回再生されています。読者は1人です。これが今のこの工房の全てを説明しています。
まだ仮説にすぎないこと
「AI一次対応デスクに、月5万円を払う会社が実在するか」は、まだ1件も確かめていません。診断の入口すら作っていないので、確かめようがありません。ここを混同しないよう記録に残します。
先週も同じことを書きました。「困っている人が実在するかは、まだ確かめていない」と。1週間経って、まだ確かめていません。 作るものは増えました。確かめたことは増えていません。
来週
- 診断の着地ページを作る(北極星を測れるようにする。これが最優先)
- 本業のCS現場でBefore計測を始める(人手の一次対応に、今どれだけ時間がかかっているか。売り物の根拠になる実数)
- 7/31:最初の売上ゲート(30日で10冊)。現在0冊
- 8/15:初めての印税が発生する日(読まれた34ページ分)。金額はそのまま公開します
- 8/31:リスト100人ゲート。現在1人
ゲートは3つとも、まだ1つも通っていません。
最後に
今週わかったことを、ひとつだけ書きます。
測っていない数字は、無いのと同じです。 そして測っているつもりの数字が、いちばん危ない。
今週この工房は、北極星を取り替えて、その北極星を測る装置を作り忘れました。承認の仕組みを売ると決めて、自分の承認を67件放置していました。集計の名前と中身がずれていることに、3週間気づきませんでした。
全部、自分で自分を検査したから見つかったものです。誰にも指摘されていません。この工房にはまだお客さんが1人もいないので、指摘してくれる人もいないからです。
だから自分で書いて、公開しておきます。次に同じ失敗をしたとき、言い訳ができないように。
うまくいったら書きます。うまくいかなかったら、もっと詳しく書きます。
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