自分の会社のために作った道具が、そのまま"売り物"になった日
AIで作った社内研修とAI監視が、社内ツールから事業の原型へ変わった日の記録。AIが起案し、人が承認する運用設計を、本物の攻撃検知と社員フィードバックで確かめた。
昨日までに作っていた社内研修を、今日、社員全員に開いた。ベータ版だ。中身はぜんぶAIで作った——通勤で聴ける音声、理解度チェック、手を動かす課題。うちの現場の暗黙知を、AIで教材に変えた。自分の会社のために作った、ただの社内ツールのつもりだった。
同じ日、もう一つの道具が仕事をした。サーバーを見張るAI監視だ。うちの公開サーバーに、ある海外のIPから266回、連続でログイン侵入が試みられていた。本物の総当り攻撃だ。AIはそれを"1件ずつのノイズ"としてではなく、相関させて「これはブルートフォースだ」と一発で見抜いた。そして——ここが大事なところ——AIは自分では何も遮断しなかった。「このIPを遮断すべき」「このアカウントを止めるべき」と一次対応を"起案"して、止まった。遮断ボタンを押すのは、人間だ。
AIが起案し、人が承認する。自律実行はしない。この一線が、AIを"性能"で売る会社との差になる。誤検知で正当な通信を止めたら、業務が止まる。だから作用のあるボタンは、必ず人の手に残す。今日、それを合成のデモではなく、自分のサーバーへの"本物の攻撃"で確かめられた。
作業をしている途中で、ふと気づいた。この2つ——研修も、監視も——自分の会社のために作ったものだ。でも、これはそのまま商品じゃないか。人手不足で「自社のノウハウを研修化したい」と困っている中堅企業は多い。セキュリティ運用が人手不足の会社も多い。AIで作って、責任をもって運用保守まで回す。作って終わりにしない。「AIで自社を作り替える」その作り替えの型そのものが、他社に売れる。今日、研修のほうは値段まで付けた。営業に出せる1枚も、実際に動くデモ動画も作った。自分の会社が最初の実証例(ドッグフード)になる。
もう一つ、今日いちばん嬉しかったこと。研修を開いた初日、社員から声が届いた。「文字起こしも欲しい」「音声が途中で止まる」。その日のうちに直した。文字起こしを足し、音声の不具合を調べたら"拡張子はmp3なのに中身が別形式"というオチで、それも直した。ついでに、聴いている場所が光る"カラオケ式"にも手を付けた。フィードバックを翌日でなく当日に返す。この速さこそ、AIで会社を回すことの意味だと思う。
線引きはいつもと同じ。「どう作ったか」は全部この工房で公開する。でも「どう変わったか」——問い合わせが何件増えたか、契約が何本取れたか、その実数はメルマガの中だけに。作り方は旗、実数は希少。
明日も作り続けます。→ nariken.ai